文学考察
2017年2月16日木曜日
女強盗(三〜六)ー菊池寛
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ある失業した侍(貴族に仕える侍で、後世の侍ではない)が夕暮れに京の町を歩いていると、ある家から鼠鳴きをして彼を誘ってくる女に出会いました。男はその女の容姿が淡麗な事もあり、一緒に寝ることにします。そうして男はそのままその家に居ついてしまうのでした。ですが、この女にはいくつか...
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2017年2月12日日曜日
大島が出来る話ー菊池寛(修正版)
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学生の頃、父の倒産をきっかけにして、近藤家の補助を受けていた「譲吉」は、「その夫人」に並々ならぬ恩義を感じていました。というのも、金銭的な補助だけならいざ知らず、金銭を渡す時の近藤夫人の手からは常に人情味を感じており、また衣類や日用品の世話など、彼の生活の痒いところにまで心...
2017年2月9日木曜日
仇討三態ーその三(修正版)
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江戸牛込二十騎町の旗本、「鳥居孫太夫」の家では、客も絶えた正月五日の晩、奉公人達が祝いの酒を囲っていました。興は衰えることなく、皆が気を良くしているところに、料理番の嘉平次までもがたまらなくなってやってきました。彼は奉公人達に煽てられ、徐々に気を良くしていきました。その様子を見て...
2017年2月3日金曜日
仇討三態ーその二ー菊池寛(修正版)
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鈴木忠二郎、忠三郎の兄弟の弟は、敵討ちの旅に出て八年の後、親の仇である和田直之進の居場所を突き止める事が出来ました。しかし一人討つのでは、当座にいない兄の無念を考え、途中別れた道を戻り、迎えに行く事にしたのです。ところが二人がその場に行きついた時には、直之進は既に病死してい...
2017年1月31日火曜日
仇討ち三態・その一ー菊池寛(修正版)
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父を殺された事をきっかけに、仇討ちを志した惟念は、それに十六年間という、長い月日を費やしました。しかし仇討ち相手は一向に見つからず、遂には自身の仇討ちの成功を祈っていた母親までもが死去してしまう始末。そして途方に暮れた彼は、得度して雲水として仏道修行に励んでいました。ところ...
2017年1月29日日曜日
入れ札ー菊池寛(修正版1)
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上州岩鼻の代官を斬り殺した「国定忠次」は、赤山城に籠城していましたが、そこが防ぎきれなくなると、十数人の子分を連れて信州へと逃げていきました。しかし他国へと逃げる為には、現在の子分達の人数が多すぎる為、その中から数人をお供として選ばなければなりません。途端、忠次の心中には、「...
2017年1月27日金曜日
風ばかー豊島与志雄(修正版1)
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子供達は学校の先生から、人間はよく見ると左右で異なる形をしており、歩くときも目隠しをしていれば、大抵どちらかにずれてしまうという話を聞きます。しかし、その話をにわかには信じられない彼等は、野原へと向かい、その検証をはじめました。ですが、矢張りどちらかに偏り、まっすぐ歩けませ...
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